iPS創薬

当社は、国家戦略特別区域法により、内閣府と厚生労働省からヒト血液由来のiPS細胞を用いた「iPS創薬」の事業化を認められた国内最初の企業です。iPS細胞を作製する技術を用いて、難病の患者様の体細胞から作製したiPS細胞(疾患特異的iPS細胞)、およびそこから分化誘導した細胞を用いて、疾患の原因や進行状態の解明(病態の解明)や治療薬候補の探索を行う創薬研究を行っております。遺伝性の難治性疾患が多い神経筋疾患領域は、疾患の原因遺伝子の異常やその他の背景因子を併せ持つ疾患特異的iPS細胞の意義が特に大きい分野です。また、新規のiPS細胞株の樹立や、当社が保有する疾患特異的iPS細胞株を活用した共同研究や受託試験も承っております。

iPS細胞株の樹立

末梢血単核球などからiPS細胞株を樹立し、ヒト疾患モデル細胞を開発します。当社では主に以下の条件で細胞株樹立を行っております。

  初期化法: エピソーマル法
  提供形態: 3クローン x 3バイアル(2 x 106 cells/バイアル)
  検査項目: 未分化マーカー、染色体解析、マイコプラズマ、ウイルス検査

図5 当社で作製した健常人由来iPS細胞株のコロニー

シャルコー・マリー・トゥース病(CMT)モデル

当社は、京都府立医科大学との共同研究のもとにシャルコー・マリー・トゥース病の疾患モデルの開発に取り組んでいます。シャルコー・マリー・トゥース病は遺伝性の神経筋疾患であり、末梢神経の障害により運動機能障害や感覚障害が引き起こされます。遺伝性の末梢神経障害の中で患者数が最も多く、厚生労働省の指定難病の一つに指定されていますが治療効果が認められた承認薬は無く、有効な治療薬の開発が切望されています。
当社では、シャルコー・マリー・トゥース病の患者様の血液を用いて疾患特異的な疾患iPS細胞株を樹立し、神経系細胞の作製と病態再現による疾患モデルの開発と創薬応用を目指した研究開発を行っています。CMT1A型由来iPS細胞株から分化誘導したシュワン前駆細胞において、PMP22遺伝子の高発現を確認しています。また、CMT2A型由来iPS細胞株から分化誘導した運動神経は、現在創薬研究に活用しています。

<外部リンク>京都大学イノベーションキャピタル株式会社による当社代表取締役へのインタビュー記事

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